福祉・介護事業の倒産件数が上半期過去最多!悪いものは淘汰される時代
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「老人福祉・介護事業」の倒産件数が年上半期で過去最多、ヘルパー不足で訪問介護事業者の倒産が急増 - Yhaoo!ニュース
これらのニュースを要約すると
- 2020年以降、上半期で過去最多の福祉事業所の倒産件数
- 特に訪問介護事業、さらに資本金1000万未満の小規模事業者が約9割
- 「ヘルパーを募集しても来ない」と9割の事業所が回答
考えてみる
市場は確実に拡大する上での倒産が増える事態
ご存知の通り、日本は待ったなしの超高齢化社会に突入する中、高齢者の介護問題は深刻です。
安易に「高齢者が増えるから介護事業は儲かるだろう」と考えがちな経営者は多いと思いますが、今回のニュースを受けてそういった安易な考えの経営者に制裁が下っているということだと思います。
統計を見ると資本金1000万円以下、設立では5年未満、従業員数では5人未満という小規模事業者の倒産が7割を占めるようで、本気で高齢者の方々を支えようというよりも単に儲かりそう、という理由で参入した経営者の市場追放が行わているのかもしれません。
拡大市場でも、選ばれるサービス作りが肝心
小規模事業者の中にも本気で高齢者を支えるサービスを提供したいと考える経営者は居るはずです。
しかし実態は資金力・人材・ノウハウなどの面で規模が大きいところは相対的に有利になりやすく、やはり介護はもろに対人間を相手する仕事ですので、サービスの良さがそのまま満足度に直結していると思われます。
結果的に、ちゃんとした規模で展開している福祉事業所が選ばれ、サービスの行き届かない小規模事業者は淘汰されているのだと思います。
小規模事業者は事業所をサポートする形式での参入がいいのではないか
僕は福祉関係の法律には詳しくないので、以下は法律的に実現可能かどうかは度外視で書きます。
新規参入の小規模事業者は直接のサービス面では大規模事業者に敵わないので、直接、エンドユーザー(介護を受ける人またはそのご家族)へのサービス提供ではなく、大規模事業者がなかなかリソースを割くことができない部分へのサービス提供がよいと思います。
例えば
- ご自宅から介護事業所までの送迎だけに特化したサービス
- エンドユーザーと事業所間のコミュニケーション円滑サービス
- 逆に高齢者の方々から昔の話を聞けるサービス
- スキマ時間だけ介護サービスをする、シェアリングサービス
送迎という業務ひとつだけとっても、結構奥が深いもののようです。
通所介護の送迎は深入りすれば何より面白い業務である。 - 介護士こじらせ系
発想の転換で、昔の日本の様子や、人によっては戦争時代の話を聴くことができるかもしれませんので、そういったお話しを聞きたい方々とのマッチングサービスもよいかもしれません。
スキマ時間だけを提供するサービスは既に実現していて少しずつ広がりがあるようです。
スキマ時間に介護施設で働く「介護版スキルシェア」、介護業界の“関係人口”を増やす - BUSINESS INSIDER JAPAN
副業熱が高まっている昨今、自分の得意なことを夕方や夜に少し介護サービスで活かす、というプラットフォームがもっと普及すれば、 利用者側も気軽に介護サービスを受けられるようになって介護負担が軽減できるかもしれません。